瞑想も、大事なのは「カ・タ・チ」から?
瞑想がうまいことできない。 (「うまいこと」の定義はさておき)
雑念ばかりで集中できない。 (集中よりも観察が大事ですが)
そんなときは型、カタチから入りましょう。
いろんな型がありますが (ここでいう「型」は坐法(座り方)にとどまらない広い意味での型です)
ここでは骨に注目してみましょう。 (骨だけにコツということで)
姿勢はいいにこしたことありませんが、瞑想においても同じです。
猫背で瞑想してても深くなんて入れません。 (ただ寝ちゃいます、惰眠です)
背骨を意識してみましょう。
それだけでも(そこに意識が向く、積極的に感じとろうとする)漠然とする瞑想よりもグッと深く、そうした入り口に立てます。
背骨を下からみていきます。
- 尾骨(びこつ)1
- 仙骨(せんこつ)1
- 腰椎(ようつい)5
- 胸椎(きょうつい)12
- 頚椎(けいつい)7
数字はその部位を構成する数です。(厳密には尾骨、仙骨はさらに細かく分けられますが、ここではひとくくりにします)
こうしてみていくと、思ったより背骨ってたくさんあって、けっこう長いことがわかります。
そして、そんなこと普段は意識していないことも。 (背骨というとてもおおざっぱなくくりにしている)
これ(普段は意識していないこと)を意識していきます。
そのため(意識するため)に解説書やインターネットで検索して、名前と、どんな形をしてどこに位置しているのかを調べたり、実際に触ってみます。
ここでは、解説書を買ったり、調べなくて済むようにざっくりとですが、うちにある骨格模型の「骨太郎」君で紹介します。
骨太郎くん。
背骨の末端、しっぽの部分にあたるのが「尾骨=びこつ」です。
先っぽが細くなって少し前に曲がっていて、まさに「尾」ですね。
その上にあって、左右の腸骨に挟まれている部分が仙骨(せんこつ)。
「仙人」の「仙」の字があてがわれていて、ミステリアスです。
次に、仙骨の上に繋がっているのが腰椎(ようつい)です。下から5つまでが腰椎。
腰椎の上につながっているのが胸椎(きょうつい)です。胸椎は12あって、頭蓋骨につながっています。(頚椎は割愛)
こうして、かつては知らなかった(なんとなくでしか)背骨を名前と共に知ることで意識しやすくなります。愛着すらわくかもしれません。いつもがんばって支えてくれてありがとう的な。
名前を知る。
どこにあるかを知る。
触って、さらにその存在を感じてみる。
そうすることで新しい世界がみえて(感じられて)きます。
そのうえで瞑想をしてみます。
下(尾骨)から感じていき、仙骨、腰椎、胸椎、頚椎、そして頭蓋骨へと。
エネルギー(生命力みたいなものに読み替えてもらってもいいです)が下から上に向かって、背骨をのぼっていくイメージです。
ヨガだと「クンダリーニ」といったり、道教や気功(導引術)では小周天といいますね。(これが外に出せると「大周天」)
頚椎(首の部分)の一番上(環椎=かんつい)までいったらそこで熱を感じる感覚を維持しつつ、また下(尾骨)からはじめてのぼっていく。
これを繰り返していきます。
リアリティ(臨場感)を感じて丁寧にやっていれば、雑念が入り込むこともないんじゃないかなと思います。(たとえ短時間であっても)
こんなふうに、ふだんはあまり意識していない部分を意識する(そのきっかけを用意しつつ)ことから、深い瞑想、深い変性意識状態に自分をもっていくことができます。
最初のうちは数分でもじゅうぶんです。
無意識を意識にあげる。
そのための用意をしてみる。(ここでは解剖学的な背骨の理解)
この考え方は瞑想に限らず、いろいろな場面で使えますので、まずは瞑想をきっかけに体験、感触をつかんでみたらどうでしょう。