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“お芝居をしないと、この社会では異邦人として扱われるほかない”

著者は気功師?〜自分の薬を作る

これは 2020年の ベスト10 にはいるかもしれない。

言語化するのがむずかしいのですが
はじめての感覚。

作者の世界観、そのきりとり方
じつにプラグマティック(実用的)な方法論。

書店でみかけて、3 回くらい手にとって、
ペラペラと読んで、4 回めにやっと購入したというご縁。

こういう “生(なま)” な 出会いというドラマがあるから
やっぱり Amazon などのネット通販だけでなく、
実際の書店に足をはこぶのは大事ですね。

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著者の坂口さんは「躁うつ病」と診断され、
精神障害者の認定もされているそうですが
そのわりには収入が多すぎて 障害手帳がもらえないんだとか。

(実際、
さまざまな お仕事、表現活動をされてます)

あるきっかけから 自分で薬(物理的、物質的なものでなく)を
つくることに目覚め「薬 = 日課」という認識で、
自分の薬(自分の日課)を 自分の症状にあわせて つくりあげたそうです。

日課だと “have to 感” があって「かたい」ので、「薬」なんだとか。
日課だと、サボったときに罪悪感をかんじることがあるけれど、薬なら たまに飲み忘れることもあるよねっていうユルさ)

修学旅行なんかでつくる「しおり」なんていう
表現もされていて、うまいなぁと。 (日課よりさらにカジュアル、フランクで、チェックするのがたのしい)

本書では「自分の薬をつくるワークショップ」
という “病院ごっこ” が、参加者と一緒に展開されていきます。
(坂口さんはお医者さん役)

このワークショップの進め方も とてもお上手。

なにかしらの 悩みをもって参加してきたひとたちを診断し、
処方箋をだしていくのですが、そのやり方がまさに「気功」
(現代科学気功 = 共感覚による内部表現の書き換え)

で、痛快なくらいに患者さん(役の参加者)たちの
「洗脳」を解いていきます。

べつに悩みなんてないよ、というひとでも
この世界観、彼の世界の見方、扱い方に触れると
いままでとはまるで違う世界が
たちあがってくるんじゃないでしょうか。