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“お芝居をしないと、この社会では異邦人として扱われるほかない”

瞑想初心者に、まずはここから〜サマタ瞑想【実践編】

サマタ瞑想の実践編です。

長いです。(前回の座学編は以下)

showjinx.hatenablog.com

これから紹介するのは 私がクライアントさんを相手に リード(瞑想の誘導)するとき

また、私自身でもしている主なやり方のひとつです。

ですのであくまでも参考に、 また、慣れてきたら適宜割愛するところも見えてくると思いますので、そのへんは自由にご活用ください。

活字を読みながら瞑想を実践は出来ないですから、まずは読みながら、手順、ポイントを体感していただいて、そのうえで実際の瞑想に取り組まれるといいでしょう。

まず、座ります。

いわゆる「坐法」というものですね。

これは有名なものだと蓮華座(結跏趺坐)とか、半跏趺坐とか、いろいろありますが、お好みでいいでしょう。とくに初学者でいきなり結跏趺坐とかできる人はあまりいないと思いますし、無理のある坐法だと長時間座れなかったり、下半身の関節を痛めてしまったりしますので注意してください。

まずはあぐらでも構いませんし、足が耐えられるなら普通に正座でもいいです。

私は半跏趺坐(アルダパドマアーサナ)か達人坐(シッダアーサナ)をよくしますが、オフィス等で床に座る場所がない場合には椅子に座ってでもかまいません。(このとき、背中は椅子のせもたれにはつけないように)

坐法のポイントは、下半身が安定していることです。椅子に座った場合以外でいえば、両膝とおしり、この三点がしっかりと床に安定してついていることです。これが満たされていれば、どの坐法でも構いません。

ただ、骨盤がなるべく床に対してまっすぐに立っていると、より安定感が増し、呼吸もしやすい(集中もしやすい)ので、できれば座布団を二つに折りたたんでおしりの下にしくと良いです。これだけでもかなり安定感が増します。(瞑想用の坐布というものも売られています)

ヨガで使うボルスターなんかもいいですね。

もちろん、わざわざそうしたものを購入せずとも毛布やバスタオル等を折りたたんで使ってもいいです。

つづいて、手の位置ですね。

これはお好きな位置で構いませんが、両膝の上にのせるか、またはおへその前あたりに組むのがやりやすいでしょう。人が瞑想をしている様子でも、見たことが少なくないかと思います。

両膝に置く場合には手のひらを上向きにします。下向きでも構わないという説明も目にしますが、私は上向きのほうが心が開く感覚があって好きですね。お好みでいいかと思います。

このままでもいいですが、指を特定の形にする「印」というものもあります。

両手、それぞれの親指と人差し指を先端で軽く合わせ輪をつくります。

この状態で手のひらを上向きにして膝のうえに置くと、「智慧の印=チン・ムードラ」というものになります。

膝の上でなく、おへその前で組むものには「宇宙の印=コスミックムードラ」というものがあります。

これは、両手のひらを上に向けて、右を下に、左を上にして、両方の中指の第二関節あたりで重ね合わせます。両手のひらで器を作るような形ですね。そして、親指の先端を軽く(紙を一枚はさむような感覚で)あわせます。

ムードラには他にもいろいろあるのですが、今回はこの二つの紹介にとどめますね。(私はチンムードラか、ただ手のひらを上向きに膝に置く場合が多いです)

ムドラに興味のある方はこんな書籍も出てます。

これで坐法と手の位置が決まりました。

ここから実際の瞑想に入っていきます。

下半身が安定して座れていることを確認したら両手を好きな位置に置き、軽く目を閉じます。呼吸は自然に。(自然にと意識した時点で自然じゃなくなるのですが、ここは「気持ちよく、自分のペースで」と置き換えていただければ)

そして、これから身体を感じていきます。(マインドフルネス瞑想法などでは「ボディスキャン」と呼ばれるものにあたります)

まず、右足のつま先に注意を向けます。

そして、右足の親指から、順に感じていきます。(感じるだけでけっこうです)

↓右足の親指
↓人差し指
↓中指
↓薬指
↓小指

というふうに、ひとつひとつ丁寧に、ゆっくりと(声は出さなくて、心の中で部位の名を呼びます)感じていきます。

つづけて

↓足の裏全体
↓土踏まず
↓かかと
↓くるぶし
↓すね
↓ふくらはぎ
↓ひざ
↓太もも
↓太ももの付け根

と感じていき、次は左足のつま先に注意を移し

同じように親指から感じて(スキャンして)いきます。

左足の付け根までいったら

次は骨盤に注意を向けます。

あらためて、骨盤が床に対してなるべくまっすぐ立っていることを意識し、感じます。

そして、骨盤の内側にある「坐骨」に注意を向けます。

坐骨は左右のお尻、その中央より少し下あたりにある(手で触ると出っ張っている)骨です。位置や形がはっきり分からない場合には、なんとなくでもイメージできていればいいです。

インターネットで「坐骨」で調べてみるのもいいですね。どういう形をしていて、どこにあるのかがわかると、意識しやすくなり、ゆるめることにつながるので。

坐骨を感じたら、この左右の坐骨に均等に体重が乗っていることを感じます。

次に、坐骨の間、其の少し上にある「尾骨」に注意を向けます。尾骨は背骨の末端にある骨で、しっぽにあたる位置にあります。(これもイメージで構いません)

尾骨を感じたら、その上に繋がっている「仙骨」を感じます。仙骨は左右の腰骨(腸骨)の間に挟まれている骨ですが、これもイメージでも構いません。

仙骨を感じたら、次にその上に繋がっている背骨を感じ、これを上(頭蓋骨)に向かってひとつずつ感じながら登っていきます。

ひとつずつといっても数がわからないかもしれません。(多くの方はそうだと思います)

その場合はこれもイメージで構いません。(参考までに、背骨は下から腰椎、胸椎、頚椎と分かれていて、それぞれ5、12、7の骨で構成されています)

なんとなくのイメージであれば、最初は腰の裏辺り(の背骨)、つづいて背中の真ん中あたり、さらに登っていくと肩甲骨の間あたり、肩の間、首(頚椎)、そして頭蓋骨(ぼんのくぼと呼ばれる位置)に達します。

ここで、あらためて背骨全体を感じ、これが身体の中心を天に向ってまっすぐに、気持ちよーくのびていることを感じます。

無理にのばしすぎる必要はありません。心地よい緊張感が感じられるくらいで十分です。

ここで一度身体の内側に意識を向けて身体全体を感じてみましょう。

どんな感じがしますか?(自分に問いかけます)

そうしたら、次は右肩に注意を向け、脱力します。ゆるめます。

注意を向け、意識上にあげることで、ゆるめることができます。

ゆるめた右肩と、そうしていない左肩の違いを感じてみましょう。

それを感じたら、今度は左肩も同じように注意を向け、意識上にあげて脱力します。

そして、左右の肩の間にある肋骨に注意を向け、ここも同じように脱力します。

ここまでで「ボディスキャン」は完了です。

ここからは、呼吸に注意を向け、呼吸を観察していきます。

呼吸は鼻から吐き、鼻から吸います。

風邪などをひいて鼻が詰まっていて、鼻だけの呼吸が厳しい場合には口でもかまいませんが、口はあくまでも消化器官で、呼吸器官は鼻ですので、鼻だけで呼吸ができるよう、耳鼻咽喉科などにいってメンテナンスをしておくといいでしょう。

鼻から吐き、鼻から吸います。自分のペースで。気持ちよい呼吸を繰り返します。

こうして呼吸を意識していると、自分がどの部分で呼吸を感じているのかがわかります。

鼻、鼻腔を空気が気持ちよく通るのことで呼吸を感じているのか、それとも下腹部のちぢみやふくらみで呼吸を感じているのか。

より呼吸が「鮮やか」に感じられる部分に集中していきます。

そうして呼吸のペースがつかめてきたら、呼吸と呼吸の間に「間」を感じます。

吐ききったらそこでちょっと間を感じます。それからまた吸っていく。

吸いきったらそこでちょっと間を感じ、それからまた吐いていく。

呼吸と呼吸の間に間を感じることで、より呼吸観察しやすくなっていきます。(息苦しくなるくらい止める必要はありません、ちょっとだけ間を感じれば十分です)

このように呼吸を意識して、集中し繰り返していきます。

呼吸に集中していても、呼吸以外のものに注意が向くことがあるかもしれません。

耳から入ってくる音や、心に浮かび上がってくるイメージ、思考、雑念、妄想など。

それに気がついたら、また呼吸に注意を戻し、呼吸を観察していきます。

呼吸以外のものに注意が向くことがあっても、そこには何の意味もありません。いいも悪いもありません。それはただそうであっただけです。

そのことに気がついたら、また呼吸に注意を戻し、呼吸を観察していく。これを繰り返します。

「気づいた時点」で、そのものを手放せて(客体化)いますから、そうしたらただまた呼吸にもどっていけばいいのです。

このように呼吸に集中しながら、ときにそれ以外に注意していることに気づきながら、また呼吸にもどっていく。これを繰り返していきます。

時間は慣れるまでは最低でも15分はされたほうがいいでしょう。それより短時間でもいいと推奨されている方や解説もありますが、せめてこれくらいの時間はかけたほうが、せっかくの貴重な時間を瞑想につかう(そこから得られるメリットのためにも)価値があると私は思います。

私は基本、20〜30分ほどして、そのあとに5分、シャバアーサナをしてから戻って(普段の感覚状態に)くるようにしています。これを朝と夕、一日二回のペースで習慣化できると一週間から一ヶ月くらいでまずは大きな変化が感じられるようになってくると思います。

時間よりも継続性(日々実践する)に重きを置いてください。

たまに1時間やるよりも、短時間でも毎日(出来るだけ同じ場所、同じ時間帯が好ましいですが)実践されるほうが、より早く効果を実感できることと思います。

以上、参考になれば幸いです。