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“お芝居をしないと、この社会では異邦人として扱われるほかない”

散歩は創造性の礎石〜天才たちの日課

古今東西
小説家、詩人、芸術家、哲学者
研究者、作曲家 などなど

総勢 161 人の天才や
匠(たくみ)とされるひとびとの
日常の断片を「日課」という
視点でまとめた1冊。

ひとりひとりについては
長くても 2〜3 ページなので
カジュアルに読むことができて
他の本(むずかしいものとか)の
合間にさしこむといい感じ。

日本語タイトルにある
「天才」はどうかと思いますが。

原題にあわせて「 匠(たくみ)」
くらいがいいんじゃないかと。
(原題は『 DAILY RITUALS: How Artists Work 』)

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とはいえ、
読書と読書の合間の
いい はし休めにもなって
とてもおもしろかったです。

名前くらいしか知らなかったけれど
本書を読んで、その日課、暮らしぶりにふれて
興味をもった匠(たくみ)たちも
ちらほらと。

ボヴァリー夫人を書いた
フローベール
アッサンブラージュ の彫刻家
ジョゼフ・コーネル など。

以下はジョゼフ・コーネルの作品。

f:id:showjinx:20220405112945p:plain 出典:https://lorenzduberry.wordpress.com/

ほぼ 共通していえるのは
いかに自分を “日課” にしたがわせ
(好ましいものと、そうでないものはありますが)
律する(りっする)か。

それが成果や
それを生み出す源となる
ということ。(肉体の “式神” 化)

日課” といえば
坂口恭平 さんも思い出します。

あとは “散歩” 。

これはほんとに共通していて
ほとんどの登場人物が
かなりの時間、頻度で
“散歩” を “日課” にしていること。

チャイコフスキーは 病的なまでにそうしていたし
(いちどに 2時間以上、それを日に数回とか)

そこまでではなくても
(かるいものでも)

ほぼ 全員が散歩におもきをおくというか
当たり前のように “日課” としていたことが
わかります。

実際、煮詰まったりしたとき
歩いていると その糸口なんかが
見える なんてことを経験している人は
多いし(自分も)、この本で紹介される前から
そうした
(散歩からひらめき、啓示を受ける)ひとたち
のことは見聞きしていたから、あぁやっぱりそうなんだと。

アインシュタインゲーデルと一緒に
する散歩を好んでいたなんて エピソードもあったような。

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利便性や ひまつぶしといった隠れ蓑を
まとった 電子機器やメディアの 氾濫した
流れから離れて、散歩、ぼーっとする時間大切です。