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“お芝居をしないと、この社会では異邦人として扱われるほかない”

ベアフット(素足)への道〜シューズ編(ヴィブラム、ゼロシューズ、マンサンダル)

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ここ2〜3年、ベアフット(ようするに「素足」)が気になってます。

ちょっと調べても素足でいる時間をもつことの効能や、逆に緩衝材としての厚いソールから生じるトラブル(故障等)について知ることができます。

後者についてはとくに書籍『BORN TO RUN』が詳しく、また実話ゆえのドラマが楽しめます。(ただし、表現がオーバーで冗長なきらいがあるので読みにくいかも)

もちろん、荒れ地や工事現場で素足でいることは怪我や大きな事故につながるので「シューズは悪」で「素足が善」というわけではありません。ここでも大事なのは「機能するか否か」ということでしょう。

そしてその「機能」は当人が何を求めているか、大切にしているかによって決まります。

それを踏まえてなぜ正心寺が最近ベアフットに熱くなっているのか。

これは単純に気持ちがいいからです。

私は早朝(冬ならまだ夜明け前)に黙々と走るのが好きです。ここ2〜3年、ひどい坐骨神経痛に悩まされ、走れなかったんですが、やっと去年の秋くらいに完治しました。(整体や整形外科に行ったり、まったく門外漢だった骨、筋肉について勉強したり、骨格模型を購入して調べたりして、たいがいのことはやりました)

そして今年のはじめくらいからまた走り始めたのですが、まず最初に(ベアフットに近い感覚を得るために)使ったのが『ヴィブラム・ファイブフィンガーズ・シューズ』。(Vibram FiveFingers)

ヴィブラムのものはけっこうお財布にきびしいので、リーズナブルにやりたいなー、という方はこのあたりでも十分だと思います。(わたしも冬はこういったモデルを愛用してます)

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わたしが愛用しているのは趾(あしゆび)が別れていないので厳密にはファイブフィンガーズシューズではないんですがヴィブラム社の製品で『FUROSHIKI』というモデルです。左右から足を風呂敷のように包み込んで履きます。

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これがオープンの状態で

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こんなふうに左右から足の甲を包んでいきます。

ヴィブラム社はイタリアのソール(靴底)メーカーで、ソールだけを外注して自社のシューズを開発しているところも多いらしく、その信頼性、品質はとても高いとのこと。

この『FUROSHIKI』は一般的なジョギングシューズ(いかにクッション性をもたせ路面からのショックをやわらげるかに注力している)よりはるかに靴底が薄く、装着感も風呂敷にやわらかく包まれているかのように自然で開放感があり、ベアフット(素足)に近い感触が得られます。

これで快適に走っていたんですが(といいつつもある走法を試していたら半年間に三回も中足骨を疲労骨折しました)上には上がありました。

ちなみにベアフットで走ることも一度だけ試しましたが、やめたほうがいいですね。少なくとも安全な路面だったり、デュレーション(移行期間)を十分にもたない限り。すぐ足を痛めます。私のように。

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中央に巨大なまめが。

40分くらい走っただけでしたが、走りはじめて1分くらいで「あー、しまった、やめとけばよかった」と後悔し(そこでとって帰ればよかったのに)サンクコストの意識が邪魔をして(ここまでやったんだからと)完走してしまいました。

でも、体験してみてよかったです。いかに一般的なシューズに足が拘束され、本来聞き取れるはずの路面からの情報から遮断されていたのかを「痛感」(まさに)できたので。まぁ、だからこそのシューズではあるのですが。

それはさておき、さらに「上をいく」ベアフットシューズを発見。(前述の『BORN TO RUN』で知りました)

その名も『ゼロシューズ』。

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シューズというよりサンダルですね。

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ソールはヴィブラムのものよりさらに薄い。

正直、これで走れるのか?と半信半疑でしたが、立派にというか、非常に快適に(接地面との会話も楽しみつつ)走れるんです。

ただし、この場合も走る前にこのサンダルに適切な歩き方、走り方、接地のポイント等を十分に学習する必要があります。私はいきなり、極端にやる傾向があるのでそれらをスキップしましたが、あまりおすすめしません。高い確率で故障します。(前述の疲労骨折ですね。それでも走り続けたので完治するのにけっこうかかりました)

でも、本当に気持ちがいいです。歩くって、走るって、足を意識するってこういうことなんだと。今まで厚い壁によって遮られていた様々な情報(足が感じる)がこんなにあるんだと。

しかし、まだ上がありました。

ちなみにヴィブラムのシューズはけっこうexpensiveで、FUROSHIKIは2万円近くしましたが、ゼロシューズはその1/3。サンダルだから(材料が少ない)当然ですが、さらに上をいく(財布にも優しい)のが

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このマンサンダルです。

ソール(靴底)と紐だけ。

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ご覧の通り、左右で「陰陽」となっているのも気に入ってます。

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究極にシンプルな材料、デザインもユニークですが、さらにユニークなのはオープンソースでその作り方、材料が公開されていることです。

開発者は坂田満さんという方で、作り方、材料、使い方等のポイントも公開されています。ですから自分で作ってしまえば2,000円ちょっとくらいで出来てしまいます。世界でひとつのオリジナルが。

とはいえ、いきなり手作りはハードルが高い(というか面倒)ので、まずはこの既製品を購入。(ゼロシューズよりさらに財布に優しい、4,000円)

ここまでシンプルになるともう「履く」という感覚ではないですね。実際、マンサンダルは「まとう」と表現されてます。足が接地したときは紐が自立し足の甲から離れ、足をあげたときにはソールから足裏が離れ、限りなく素足に近い状態を味わえます。

ゼロシューズよりさらに足とシューズ(サンダル)の関係がゆるゆる、アバウトになったので、またしても「これで走れるのか?」と思いましたが大丈夫。ただし、ここでもこのサンダルでの歩き方、走り方、扱い方(自分の身体の)を学習する期間が必要です。

今回はその期間をちゃんと経てから実地に投入しようと思います。

それにしても、相変わらずマスク大好きな人ばかりで、未明で人もまばらなのにしっかりマスクして走っている人たちの光景は異様です。以前ならむしろ怪しくて職質されてもおかしくないだろうに。