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“お芝居をしないと、この社会では異邦人として扱われるほかない”

愚か者は邪悪な人間よりも始末が悪い〜大衆の反逆

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武器としての決断思考』と同じく 「今」読まれるべき一冊かもしれません。

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わたしなんかが 完全に理解しきれるものではないですが

同じような人でも「今」 この状況だからこそ刺さる、 ハッとする文章がきっとあるはず。

引用します。

大衆とは、
みずからを、
特別な理由によって
よいとも悪いとも評価しようとせず、
自分が《みんなと同じ》だと感ずることに、
いっこうに苦痛を覚えず、
他人と自分が同一であると感じて
かえっていい気持ちになる、
そのような人々全部である。

ウイルスに対しては 無意味なマスクの強要、

行き過ぎた(これまた無意味な) 接触の半強制回避、過剰な手指消毒、自粛。

ふたたび引用です。

他人と違うのは
行儀が悪いのである。
大衆は、すべての差異、
秀抜さ、個人的なもの、
資質に恵まれたこと、
選ばれた者すべて圧殺するのである。
みんなと違う人、
みんなと同じように考えない人は、
排除される危険にさらされている。
この《みんな》が本当の《みんな》でないことは明らかである。
《みんな》とは、本来、大衆と大衆から離れた特殊な少数派との複雑な統一体であった。
いまでは、みんなとは、ただ大衆をさすだけである。

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炯眼(けいがん)の人は、
自分が愚か者とつねに
紙一重であることを知って驚く。 

だから、
目前のばかげたことを
避けようと努力するし、
その努力のなかに知性が存在する。

それにたいし、
愚か者は、
自分のことを疑ってみない。

自分がきわめて分別があるように思う。

ばかが自分の愚かさのなかで
あぐらをかくあの羨むべき平静さは、
ここから生まれるのである。

住んでいる穴から外へ
ひきだしようのない
昆虫みたいなもので、

愚か者をその愚行から解き放ち、
しばらくでもその暗闇から出して、
いつもの愚かな見方を、
もっと鋭い見方と比較してみるように
強制する方法はないのである。

愚かものは終生そうであって、
抜け穴がない。

だからこそアナトール・フランスは、
愚か者は邪悪な人間よりも始末が悪い、
といったのだ。

つまり、邪悪な人間は
ときどき邪悪でなくなるが、
愚か者は死ぬまで治らないからだ。

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こちらの『100分 de 名著』版に 助けられました。

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今回は引用ばっかりになってしまいました。